読書感想文『宙わたる教室』
読了しました。
『宙わたる教室』
著者 伊与原新
定時制高校に通う粗暴な生徒と担任が立ち上げた科学部がさまざまな事情を抱えた生徒たちと共に、科学部の活動を通じてお互いが成長し、定時制高校では無理と思われそうな一つの難しい課題を成し遂げる物語。
定時制高校の描写がリアルだし、科学部の生徒達が抱えている問題や病を生徒それぞれの視点で描いているので強烈に感情が伝わってきます。
作中で、自分の生活環境の悪さに自暴自棄になり学ぶことをあきらめていた青年に、定時制課程担任であり科学部顧問の藤竹が言った一言で一気に物語に引き込まれました。
『ここには何でもある。使える設備は全日制と同じです。』
事情があって全日制の高校に通えなかったり、行きたくても行けなかった高校を卒業するために人生の途中で時間を作り定時制高校に通う。
そこには運もありますが、強い意志と環境があれば学ぶことができ、出会う先生によっては自分の能力とやる気を引き出し高い場所まで引き上げてくれるのかもしれないと本気で思える作品でした。
最近ドラマ化されたようなのでぜひ観たいと思います。
久しぶりの読書でしたが、読んでいて頭に映像が浮かんでくるのは読書の魅力のひとつですね。
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