掛塚のしがない床屋６代目

小学生の頃から来店してくれている中学生の男の子。

毎回カット中に髪の毛団子を作るのですが今日は今までで一番上手に作れました。







この空気を含んだ感じが素晴らしい。
とても柔らかくて触るのが怖いくらいです。


この子が初めて髪の毛団子を作り始めた時は、手で握って作ったりしていたので『握らず転がすようにしてごらん。そうすれば自然と玉になっていくよ。』と教えてあげました。

実は私が子供の頃に親父に髪をカットしてもらっている時に、切れ落ちた髪の毛で遊んでいて髪の毛団子を作る方法を見つけて以来、毎回作っていました。

最初はなかなか玉になりませんが、根気よく正しい方向に転がしているうちに綺麗な玉になっていくのは楽しいです。


髪の毛って頭に生えている時は大切にされるのに切れ落ちた瞬間から一部を除きゴミという認識に変わります。(ウィッグに加工される長い髪の毛は大切な材料です。)


泥団子だって泥のうちは見向きもされませんが、とことん時間を掛けて綺麗に作った泥団子はまるで大理石の玉のようになり見た人を驚かせ、中には欲しいと感じる方もいるでしょう。


髪の毛団子も丁寧に綺麗に作れば見た人を笑顔に出来る物になると思います。欲しいと思う人はいないと思いますけど。(≧∇≦)


今回、この出来栄えならもう免許皆伝！（笑）

『家に持ってかえる？』と聞くと『持ってかえりたい』と言うので慎重に包んで持たせました。


家族に見せて『そんなのさっさと捨てなさい！』って怒られるか、『よく作ったね』と笑顔を見せてくれるかわかりませんが上手に作れるようになった事。彼にはけっして無駄な時間では無かったと思います。


見向きもされない物を人を笑顔に出来る物に生まれ変わらせる。

好きだなぁ、そういうの。