初めての南アルプス、甲斐駒ヶ岳、涙の黒戸尾根ルート

カテゴリー │甲斐駒ヶ岳(黒戸尾根ルート)

2020年7月13日(月)


山梨県北杜市にあります甲斐駒ヶ岳(2,967m)に山歩きに行ってきました。



過去の山歩き初級者雨男二人組の模様はこちら。


第1回山歩き 竜頭山

第2回山歩き 湖西連峰(神石山)

第3回山歩き 尉ヶ峰(国民宿舎ルート)

第4回山歩き 竜ヶ石山

第5回山歩き 霧山

第6回山歩き 明神山(三ッ瀬ルート)

第7回山歩き 尉ヶ峰(引佐峠ルート)

第8回山歩き 石巻山(おちばの里親水公園ルート)

第9回山歩き 霧山

第10回山歩き 小笠山

第11回山歩き 富幕山

第12回山歩き 明神山(乳岩ルート)

第13回山歩き 明神山(三ッ瀬ルート)

第14回山歩き 鞍掛山

第15回山歩き 大川入山

第16回山歩き 小笠山

第17回山歩き 小笠山

第18回山歩き 湖西連峰(神石山)

第19回山歩き 富幕山

第20回山歩き 岩古谷山

第21回山歩き 石巻山(おちばの里親水公園ルート)

第22回山歩き 明神山(乳岩一周)

第23回山歩き 竜ヶ石山

第24回山歩き 竜頭山

第25回山歩き 尉ヶ峰(引佐峠ルート)

第26回山歩き 本宮山

第27回山歩き 愛知県民の森

第28回山歩き 小笠山

第29回山歩き 大川入山

第30回山歩き 獅子ヶ鼻公園

第31回山歩き 御在所岳(裏道~表道)

第32回山歩き 根川山

第33回山歩き 小笠山

第34回山歩き 明神山(三ッ瀬ルート)

第35回山歩き 平山明神山(鹿島山、大鈴山、平山明神山)

番外編 ボルダリング

第36回山歩き 富幕山

第37回山歩き 小笠山

第38回山歩き 青笹山

第39回山歩き 湖西連峰~葦毛湿原

第40回山歩き 毛無山~十二ヶ岳

第41回山歩き 石巻山

第42回山歩き 蕎麦粒山~高塚山

第43回山歩き 蛇峠山

第44回山歩き 入手山~岩岳山

第45回山歩き 宝永山

第46回山歩き 山伏

第47回山歩き 明神山(三ツ瀬ルート)

番外編 赤目四十八滝

第48回山歩き 毛無山(1,946m)

第49回山歩き 千葉山

第50回山歩き 御在所岳(中道~一の谷新道)

第51回山歩き 金時山

第52回山歩き 富士山(御殿場口ルート)

第53回山歩き 粟ヶ岳

第54回山歩き 八高山

第55回山歩き 八高山

第56回山歩き 天狗石山、猿見石山

第57回山歩き 南沢山

第58回山歩き 満観峰

第59回山歩き 突先山

第60回山歩き 智者山、天狗石山

第61回山歩き 明神山(乳岩ルート)




今回のメンバーは・・・









2人


登りの女王Kさん♀改め登りの女王Mさん♀と俺。

Mさんとは久しぶりの山歩きです。




日本三大急登の一つ、南アルプスは甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根ルート。

登山口の竹宇駒ヶ岳神社から甲斐駒ヶ岳山頂の標高差は2,200m。

このルート、標準コースタイムは往復15時間になりますので、通常は七合目にあります山小屋に一泊しての行程になりますが、これを日帰りで挑戦してみました。



『 山頂に11時着 』

これが無理だった場合は、安全を考慮して11時になったら、たとえどこにいても引き返してくる。

目標タイムは往復で12時間。



果たしてどんな山歩きになったのか?それではご覧下さい。






4時25分、尾白川渓谷駐車場に到着。






準備をして登山届を登山ポストに提出したら4時35分、山歩きに出発!






途中にある竹宇駒ヶ岳神社で山行の無事をお祈りしました。



そこから少し歩くと吊り橋が現れます。





序盤は急登あり、なだらか斜面ありの樹林帯を進みます。






登りの女王ことMさんが先頭でグイグイ登っていきます。

相変わらず登るペースが速いのでついて行くのがやっとです。



5時を過ぎたころ、木々の向こうに朝日が見えました。




数日前から心配していた雨はなんとか大丈夫そうです。


ひたすら樹林帯を歩いて、7時6分、刃渡りを通過。





右側が45度くらいに切れていますが、しっかりした鎖があるので怖さはありません。


そして、梯子登場♪





梯子の右側はこんな感じで少し高度感があります。

この山は中盤から梯子と鎖が頻繁に登場してきます。



7時26分、刀利天狗通過。





7時59分、五合目小屋跡通過。



以前はここに山小屋があったみたいです。



8時4分、屏風小屋跡通過。





長い梯子登場。







この梯子の右側も切れ落ちたガレ場。



長い梯子を登ると鎖場。





橋も登場♪




そこから少し進むと甲斐駒ヶ岳ではお馴染みの”剣”が現れました。



甲斐駒ヶ岳は、古くから信仰の対象ともなっていて、山梨県側の山麓の横手・竹宇両集落には駒ヶ岳神社が鎮座しており、そこから山頂にいたる黒戸尾根には現在も不動岩(威力不動尊を祀る)等の信仰にまつわる多くの石碑や石仏が残っています。(ウィキペディアより)

そしてこの黒戸尾根ルートは、昔修験者の人たちが修行のために登った道とされています。

”剣”はそんな修験者の人たちが祀ったのかもしれません。



そして、黒戸尾根ルートの核心部の一つと言われています、ほぼ垂直梯子。




上から見るとこんな感じ。(下りの時に撮影)



周りがガスって、下がよく見えなかったせいかあまり怖さは感じませんでした。



8時44分、七丈小屋到着。



想像していた以上に疲れました。(;´Д`)



ここで飲み水が補給できますが、まだ十分あるので下山の時に利用させていただきます。





ナッツをほおばる登りの女王。



女王いわく、今日の朝ご飯はナッツだけで1,500キロカロリーほど摂取してきたそう・・って、ナッツ姫か!



俺もここまで歩いてくるうちに腹が減っては歩きながらプロテインバーとか補給してきたけど、なるほど~事前に高カロリーを摂取しておけばいいのか。



ナッツ姫『 食べる? 』



すすめられるままにナッツいただきます。

あ~、うまい。いかにも高カロリーで腹持ち良さそう。



ナッツを食べながらブラックコーヒーを飲むMさんを羨ましそうに見ていると、

Mさん『 飲む? 』


俺『 え~っ!飲みたい!いただきます! 』


くぅ~っ!ウマい!やっぱコーヒー最高!

それに若干の眠気とダルさがカフェイン効果でシャキッとします。




七丈小屋のブログで、コロナ対策のために清掃で使っているタオルがハイターで洗っているとすぐにボロボロになってしまいますので、ザックに括り付けているタオルでもかまいませんのでいただけると助かります。という事が書いてありましたのでお店で使っているタオルを寄付させていただきました。

お礼に七丈小屋のワッペンをいただきました。





5分ほど休憩したら出発。



ここから山頂までは約150分です。


小屋の上には綺麗なテン場があります。





ひたすら登ります。



ついて行くのに必死です。



9時29分、八合目御来迎場通過。





ここから先は岩場、鎖場の連続です。







足を置けるように岩を彫ってあるので助かります。







この辺りまで来ると、息が苦しくて、足が重くてかなり辛くなりました。


どんどん進んで行く登りの女王。



そしてようやく見えた二本剣。




岩に二本の剣が刺さっています。



黒戸尾根ルートでは有名な景色です。



ついに自分の目でこの景色を見れた喜びと、足が異常に重くて、苦しい呼吸。

一歩一歩が重い・・・富士山9合目以上を歩いている足の感じ。



11時までに山頂にたどりつけなければたとえどこにいても引き返す。

自分たちで決めた安全のためのルール。



こんな状況についに、、出来れば言いたくなかった言葉を言ってしまいました。


俺『 Mさん、、俺、かなりペースが落ちますんで先に行って下さい。 』


Mさん『 どうした?どこか痛い? 』


俺『 いえ、ただ足が重くて、息が苦しくて、、先に行って下さい。 』


Mさん『 無理しなくて大丈夫だよ。山頂は11時15分くらいになってもいいから。 』

そう言って、時々足を止めて俺を待つMさん


ガクンと落ちたペース。

このままでは決めた時間までに山頂に辿り着けないと思い、再び弱音を吐く俺。



俺『 Mさん、俺、ここに居ますんで一人で山頂行ってきて下さい。 』


Mさん『 ダメだよ!そうやってパーティーがはぐれてどっちかが死んじゃった事故がいくつもあるんだから。11時30分まではなんとか大丈夫だから。 』



11時にどこにいても引き返すルールだったのに俺のせいで・・・情けねぇ・・


実はMさん、黒戸尾根ルートで甲斐駒ヶ岳に挑戦するのはこれが2度目。

1度目は数年前。七丈小屋に泊まって翌日山頂を目指したのに一緒に歩いたメンバーの体調が崩れた事もあり山頂手前で時間オーバー。登頂断念していました。



その時と同じ悔しい思いを絶対させたくない。


俺『 どの道ピストンで同じ道なので、ここでじっとしてるから大丈夫ですよ。本当に行って下さい。 』

Mさん『 ダ~メだって!じゃあもし私が一人で先行って、私が滑落したり何かあったらどうするよ? 』

俺『 ・・・・・ 』


Mさん『 二人で山頂に行くか、二人とも山頂に行けないかしかないよ。大丈夫、山はまた来ればいいから。ここまで来たんだもん、もうここが山頂だっていいんだよ。 』


俺『 わかりました・・すみません、かなりゆっくりになってしまいますが、止まらずに歩きます。 』


とにかく重い足を止めないように歩幅を狭くして歩く俺。



しばらくして目の前に結構な斜度のある岩場。







今は楽しむ余裕すらありません。



10時31分、竹宇駒ヶ岳神社通過。




あと少し!


そして10時35分、甲斐駒ヶ岳山頂到着!



昔の修験者が使ったのか、祠に草鞋が祀られています。


お決まりの自撮り。



11時に間に合って本当に良かった!


山頂にいるのは俺達を含めて3人きり。

さすがに平日でこんなお天気続きじゃ来る人も少ないでしょう。


ガスっていて景色は見えませんでしたが、ガスが切れた一瞬にオベリスクが見えました。




本当に苦しくて、時間に間に合うか、それだけが心配だったので安堵感からつい涙がこぼれてしまいました。



そんな俺の姿を見て、

Mさん『 な~に~、冗談かと思ったら本当に泣いてるの?(笑) 』

えぇ、このタフさとドライっぷりも女王様並みです。(笑)




10時46分、下山開始。







途中から雨が降り出したので新品のカッパを着ます。



やっぱ出番あったな!(笑)




12時22分、七丈小屋到着。



空になったペットボトルに100円で水を補給します。



めっちゃ冷たい!

これこそ正真正銘『南アルプスの天然水』(笑)



濡れた岩場や梯子や鎖場を慎重に下っていきます。









五合目小屋跡過ぎから、下山道なのに登り。



疲れた足にこれはツラい・・・(>_<)



13時58分、刃渡り通過。





とにかくひたすらひたすらひたすら歩いて下ります。



あ~、踵と足の小指が痛い・・・


なだらかな道は楽だけど、なかなか高度が下がらない。

急な下りは高度を下げるにはいいけど、疲れた身体と足にツラい。


高度計を見る度に『 まだかこんな高度あるのかよ! 』


この下りの長さは・・・おそらくどんなおしゃべりな人も無口にさせるでしょう。




16時27分、やっと吊り橋に到着。



この吊り橋見えた時めっちゃ嬉しかった。



竹宇駒ヶ岳神社で無事下山のお礼参りをして、16時40分、駐車場に帰ってきました。



結局、私達の他に山で会ったのは5人きりでした。さすが雨の平日。(笑)


今回の山歩きデータ








黒戸尾根ルート、とにかく手強かった!

ですが、Mさんのペース配分と励ましのおかげで無事に日帰り登山出来ました。

このコースをトレランする猛者も多くいて、この日私達もトレランの方に抜かれましたが、健脚の方にも大変人気のコースのようでした。



心配していた膝はなんともなく、このために毎朝やっていたザックトレーニングの成果が出ているのかも。

新しい登山靴は、途中で両踵と両足小指にマメが出来た痛みと、親指の爪の痛みがずっとありましたが、靴下脱いだら何も出来てませんでした。

日本三大急登を歩けたんだからもうこの靴が新しいパートナーでいいかな。



山の事、歌の事、走りの事、世の中の事、食べ物、断捨離、生き方、色んな事を話ながら楽しくもあり、苦しくもあり、とっても素晴らしい山歩きとなりました。



また歩きましょうね~♪





 
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